いい妻、リセット宣言 -定年夫のストレスから解放される、魔法の法則教えます- 共同通信社刊
   
 
 実は男性は、ここからご紹介する3つのステップを踏んでいくだけで、変わってしまうのです。「ええっ? まさか!」とお思いのあなた。だまされたと思って、まぁやってみてくださいませ。
 細かなテクニックは色々ありますが、ベースとなるのは、この3ステップ。男性がなかなかやってくれないように見えて、案外、原因はシンプルなのです。

 というのも、男性が家事をするまでには、3つのハードルがあるんですよ。
 その3つのハードルとは、「やる気がない」「わからない」「続かない」の3つです。……ははは、困りましたね(笑)。もう少し具代的にお話しすると。
1.「精神的なハードル」。いわば、家事をすることに対する抵抗感。
  これは最初に家事をスタートする導入期に、まだ「やる気がない」状態です。
2.「技術的なハードル」。いざやる気になっても、家事をやった経験がない、
  もしくは少ないので、どうやっていいか「わからない」。
  これが実践期の問題です。
3.「継続面のハードル」時々のお手伝いにとどまって「続かない」。
  家事は思いついたように時々ではお話になりませんものね。
  夫婦で担当を決め、夫も責任を持って家事をする状態をめざします。

 なんだか逆に、ムリな気がしてきたでしょうか?
 大丈夫です。男性の反発やタイプがいろいろあるように見えても、結局のところ「3つのハードルしかない」ってわかったんですから! それをピョンピョンピョンって3ステップで飛び越える。そう考えればカンタンなんですね。
 では次のページから、それぞれのハードルの最も効率的な飛び越え方を伝授いたしましょう。<『いい妻、リセット宣言』1、2、3ステップへ続く>

「立っている者は、親でも使え」ということわざがありますね。確かに冬、こたつに入っているときなどは、外に出ている人にあれこれと頼んでしまいます。
 頼まれた方も、「ついでに」と言われると、なんとなく断りづらいもの。これをいい妻リセットにもぜひお使いください。

 たとえば、車で外出しようとするダンナさまに「ついでに帰りにスーパーで○○買ってきてくれない」と声をかけます。もしくは外出先の携帯へ、電話を。
 最初は一品、それも男性が恥ずかしくなく買えるものが良いでしょう。お豆腐ですとか、ジュースですとか。買ってきてくれたら、必ず「ありがとう。助かったわ?」といったお礼のひとことをお忘れなく。
 間違っても、最初から「トイレットペーパー買って来て」のように所帯くさいものを頼んではいけません。断られるか、忘れられるのがオチです。だって男性にとって抵抗感てんこ盛りですから! あまり格好わるいと感じさせないものからスタートするのが肝要です。
 しぶった場合は、「車で行くなら、ついでじゃない?」「ビールも一緒に買って来ていいよ」とか付け加えると、腰が上がりやすくなりますよ。
 肝心なのは、ともかく行かせてしまうこと。「スーパーに一人で何か買い物に行く」という行為に慣れてもらうのが目的なのですから。

 これを何回か繰り返したら、だんだん買い物の数を増やしていきます。外出しようとするダンナさまに、「ついでに」と買い物メモを手渡し。これまで何度か買い物に行って来たダンナさまは、断る理由がいつのまにかなくなっているんですね?。こうなったら、思うツボ。まさに知らず知らず、あなたの術中にはまっているのです。

 人って、大きなことだと抵抗感があるけれど、小さなことだと行動しやすいですよね。
 いい妻リセットも同じで、いきなり大上段から「これからは、あなたが料理を担当して」みたいに突然、引導渡されても困るわけですよ。もうケンカになるか・ブスッとしてやってくれないか・ヘソ曲げるか・失敗されるかにしかならないでしょう?(つまり、どれも結果は同じ「やらない」)
 だからこそ、ともかく作業をごくごく小分けにして、相手に家事だと意識させないくらいで積み重ねていくといいんですね。これは、ものすごく良く効くテクニックです! 本当です。

 たとえば、いきなり「洗濯物を取り込んで・たたんで・引き出しにしまって」まで一連全てを求めると、ダンナさまは負担感を感じてめんどうくさいなぁ?って気持ちが大きいわけです。
 なので、いっぺんには頼みません。
 最初は「悪いけど、雨が降りそうだから、洗濯物取り込んでおいてくれない」と外出先から電話するとか。
 別の機会には、目の前でたたんだ洗濯物を「あなたの服、自分でしまってくれる?」と渡して、引き出しにしまってもらうとか。
 ともかく「小さく小分けに」して、ちょこちょこと頼むんです。こういった小さい作業だと、ダンナさまも断りにくいもの。
 しかも、一度でも経験したことって、次回以降も断りにくくなりますよね。
 で、そのうちに、作業の2つとか3つをつなげてやってもらいます。
 雨が降り始めたら、外から自宅のダンナさまに電話で「洗濯物を取り込んで、たたんでおいてくれない?」といった具合に。うまくいけば。自分の服を引き出しにしまうところまで済ませておいてくれる可能性も!

 実は私はこの手で、生まれてから一度も洗濯物をたたんだことがないというジャガー横田さんのダンナさまに、テレビ「伊東家の食卓」でやらせてしまいました。ともかく完全隠し撮りですから、失敗したら番組的には「なかなか手強いですね?」で笑わせて締めるのでしょうが、男性改造のスペシャリストとして私のプライドが許しません。
 しかし、チャンスはたった一度きり。やり直しなしです。そこで綿密に、一度で成功する作戦を立てたのです。
 作戦会議で、「洗濯物を運んで」と頼んでも、ジャガーさんいわく、ふだんは「テレビやパソコンで腰を上げない」と。そこで、次ページの「ついで」テクニックのタイミングを強制的に作るため、「エサ」をまくことにしました。「木下さんの好きなものは何ですか?」と聞いて、大好きな新しいDVDを洗濯物のすぐそばに配置!
 で、「新しいDVDあるよ?」とジャガーさんに声をかけてもらう。すると、木下さんが取りに行ったそのタイミングに「ついでに洗濯物持ってきてくれる?」と声をかけてもらったのです。すると、何の疑問も感じることなく、洗濯物を運ぶ木下さん(笑)。そのまま、この本にあるさまざまなテクニックを盛り込んで、「洗濯物を運んで・仕分けして・たたむ」一連の家事を全部、自然にやらせてしまいました。
 本当に生まれてから一度もやったことがなかったとのことで、不思議なたたみ方でしたけれど(笑)。小分けテクニックは、ともかくこれほど強力に効きます!

 「緊急性」とは、「急いでいると人は判断力が甘くなる」という性質を利用したものです。よく外国でアイスクリームを服をぶつけたりして、汚れてあわてているスキにスリをする手口とかあるじゃないですか。人って、とっさに何かに気をとられると、よく考えられなくなるものなんですね。
 たとえば、あなたが外出していて、ダンナさまが家にいるとき。
「たいへん。雨が降って来たから、悪いけどすぐ洗濯物取り込んでくれる?」と電話します。これはなかなか断れません。特に「あなたの肌着が干してあるの」とかって言葉を足すと、濡れると困るわけですし。
 たぶんこれまでのあなたは、雨が降ったら大急ぎで帰るか、あきらめてもう一度洗い直されていたのではないでしょうか。定年後はそんな風にすべて一人で背負わなくても、そこにダンナさまがいるじゃないですか?! 遠慮しないで、ダンナさまを頼ってみましょう。定年後はこういうことで、男の人に甘えても良いんです。
 他にも、外出しているダンナさまの携帯へ「今日お鍋をしようと思っていたのに、ポン酢買い忘れちやったの。帰りに買ってきてくれない」とお願いする手も。だって、ポン酢ないと、鍋できないでしょ。なきゃ困るなら、ガンコなダンナさまも陥落です。
 ちょっと荒技では、友達にお願いして、ダンナさまが家にいるときに遊びに来てもらいます。その時間に電話して「少し帰りが遅くなっちゃったんだけど、友達に冷蔵庫のお菓子、出しておいてくれない?」と頼むのです。
 そして友達が帰ったあと、「できたダンナさまね?って、ホメられちゃった」と伝えます。男性は、他人からの評判がいいとなると、かなり気を良くしますよ。それがたとえ冷蔵庫からテーブルへ箱を移動しただけだとしても、ホメてくださいね。
 これまで長年、あなたが家事をしてきていると、最初はちょっとしたことを頼むのにも、気後れして勇気がいるもの。ですから、あなたにとっても「ついで」や「緊急性」は、「頼みやすくなる」ためのとっても有効な方法なのです。
 「あなたも家事をやってよ」だけでなく、言うと失敗率が高い言葉があります。それはこういった言葉。
「定年でヒマなんでしょ」
「朝からゴロゴロしてばかり。何もやっていないじゃない」
「私はいろいろ忙しいんだから」
 家事をやってもらって「ヘタねぇ」(←絶対に禁句ですよ?)
「こんなこともできないの!」
「これじゃ、余計に手間がかかっちゃう」
「見てられないわ」(だったら、というか、見ない方がいいです)
「もう手伝わなくていいから」
 ああもう、書いているだけで恐ろしい言葉の数々。いざ自分がこんなこと言われたら、立ち直れなくなっちゃいそうです。こういった、相手をぺちゃんこにしてしまう言葉を、私はNGワードと呼んでいます。
 わかりやすく言うと、ダンナさまがイヤな気分になる言葉はダメだし効果なしってことなんです。ある意味、当たり前かもしれませんね。
 だけどつい、うっかり言っちゃうことがありませんか? 特にイライラしているときとか。更年期がまだ残っている方は、特にご注意を。

 もちろんこういう言葉がいいたくなるシーンがあるのはわかりますよ。あなたにとって当たり前と思うようなカンタンなことを失敗された時は、思わずピキッ。
 けれど、ちよっと言い方を変えて、これをOKワードにしていくだけで、夫がこれからもやってくれるかどうかが大きく左右されてくるんです。
 たとえば。

NG「定年でヒマなんでしょ」
→OK「時間があったら、片付けだけでもしてくれない?」

NG「ヘタねぇ」「こんなこともできないの!」
→OK「私も最初は失敗したんだけれど、、こうすればうまくいくのよ」「これがコツなの」

 夫が洗った食器に汚れが残っていたら、
NG「まだ汚れが残っているじゃない。ダメね」
→OK「油汚れって、洗う前にトイレットペーパーで拭き取ると落ちやすいって、知ってる?」

NG「なんで何もやってくれないの」
→OK「ちょっとこれ手伝って」
といった具合です。

 NGワードの特徴は、相手を「責める」こと。
 そしてOKワードの特徴は、相手に「提案する」ことです。
 この違いを意識して、ダンナさまが楽しんでやってくれるように持っていきましょうね。


    NGワード           OKワード
「朝からゴロゴロしないで」  「散歩にでも行ってみたら?」
「私は忙しいんだから」    「○○だけでも手伝ってくれない?」
「余計に手間がかかっちゃう」 「料理中に道具の片付けもできたら、達人よ」
「それくらい、わかるでしょ」 「こういう風にしてほしいの」
「見てられないわ」      「一緒にやってみましょ」
「もう手伝わなくていいから」 「他のことお願いしていい?」

 
 

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